慢性の消化器疾患に内視鏡検査をしますか?
近年、内視鏡システム一式を所有している動物病院(一次診療施設)は多く、特に異物(誤食)の犬や猫に挿入経験のある獣医師も多いと思います。しかし、慢性的な嘔吐や下痢のある犬と猫が来院した場合に、「内視鏡検査」をすぐに実施する施設は少ないのではないでしょうか?当然のことですが、まずは慢性的な嘔吐や下痢の原因を、問診(飼育環境、食事内容など)、身体検査、血液検査、糞便検査、画像診断(X線検査、超音波検査)により、「本当に内視鏡検査が必要なのか?」を見極める必要があります。また、重度でない症例に対しては、食事の変更やプロバイオティクス、プレバイオティクスなどを試みて、症状の改善があるのかを確認することも重要です。しかし、症状も改善せず、食欲が低下し削痩している動物で、慢性炎症やリンパ管拡張、さらにはリンパ腫の診断のために内視鏡検査が必須となります。本セミナーでは、慢性の消化器疾患が疑われた犬や猫に対し内視鏡検査を介入するタイミングや実際の内視鏡挿入のコツ、また正確な病理検査結果を得るための生検テクニックなど、実症例を紹介しながら解説していく予定です。
point1
内視鏡検査が必要な症例の見極め方point2
安全な内視鏡検査を進めるコツpoint3
結果を出すための生検テクニック